不規則動詞の例文

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不規則動詞の例文を集めました。

Semper amica mihi, semper uxor eris.
「センペル・アミーカ・ミヒ・センペル・ウクソル・エリス」と読みます。
semperは「永遠に」を意味する副詞です。
amicaは「女の友達、恋人」を意味する第1変化名詞amicaの単数・主格です。
mihiは「私」を意味する1人称の人称代名詞egoの与格です。
uxorは「妻」を意味する第3変化名詞uxorの単数・主格です。
erisは不規則動詞sumの直説法・能動態・未来、2人称単数です。
「あなたは永遠に私の恋人、永遠に妻となるだろう」と訳せます。
プロペルティウスの言葉です(Prop.6.42)。

It clamor ad alta atria.
「イト・クラーモル・アド・アルタ・アートリア」と読みます。
itは「行く」を意味する不規則動詞eoの直説法・能動態・現在、3人称単数です。
clamorは「叫び声」を意味する第3変化名詞clamorの単数・主格です。
adは「~まで」を意味する対格支配の前置詞です。
altaは「高い」を意味する第1・第2変化形容詞altus,-a,-umの中性・複数・対格です。
atriaは「広間」を意味する第2変化中性名詞atriumの複数・対格です。
「叫び声が(天上の)高い広間に届く」と訳せます。
ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Verg.Aen.4.665-666)。

Non poteras animi vertere jura tui.
「ノーン・ポテラース・アニミー・ウェルテレ・ユーラ・トゥイー」と読みます。
poterasは「~できる」を意味する不規則動詞possumの直説法・能動態・未完了過去、2人称単数です。
animiは「心」を意味する第2変化名詞animusの単数・属格です。
vertereは「変える」を意味する第3変化動詞vertoの不定法・能動態・現在です。
juraは「法」を意味する第3変化名詞jusの複数・対格です。
tuiは「あなたの」を意味する2人称の所有形容詞tuus,-a,-umの男性・単数・属格です。
「あなたは自分の心の法を変えることができなかった」と訳せます。
オウィディウスの『恋愛治療』に見られる表現です(Ov.Rem.270)。

Jam redit et Virgo, redeunt Saturnia regna.
「ヤム・レディト・エト・ウィルゴー・レデウント・サートゥルニア・レグナ」と読みます。
jamは「今」を意味する副詞です。
reditは「戻る」を意味する不規則動詞(合成動詞)redeoの直説法・能動態・現在、3人称単数です。
etは「~もまた」を意味する副詞です。
Virgoは「乙女」を意味する第3変化女性名詞、単数・主格です。原文では「正義の女神」アストライアを意味しています。
Saturniaは「サートゥルヌスの」を意味する第1・第2変化形容詞Saturnius,-a,-umの中性・複数・主格です。
regnaは「王国」を意味する第2変化名詞regnumの複数・主格です。
「今やウィルゴー(乙女)も戻り、サートゥルヌスの王国も戻る」と訳せます。
ウェルギリウスの『牧歌』に見られる表現です(Verg.Ecl.4.6)。

Sua vitia insipientes et suam culpam in senectutem conferunt.
「スア・ウィティア・インシピエンテース・エト・スアム・クルパム・イン・セネクトゥーテム・コンフェルント」
suaは「自分の」を意味する3人称の所有形容詞suus,-a,-umの中性・複数・対格
vitiaは「欠点」を意味する第2変化中性名詞vitiumの複数・対格です。
insipientesは「愚か者」を意味する第3変化名詞insipiensの複数・主格です。
suamはsuus,-a,-umの女性・単数・対格です。
culpamは「過ち」を意味する第1変化名詞culpaの単数・対格です。
senectutemは「老年」を意味する第3変化名詞senectusの単数・対格です。
conferuntは「(AをB)のせいにする」を意味する不規則動詞(合成動詞)conferoの直説法・能動態・現在、3人称複数です。
「愚か者は自分の欠点と過ちを老年のせいにする」と訳せます。
キケローの『老年について』に見られる表現です(Cic.Sen.14)。

Solve metus; feret haec aliquam tibi fama salutem.
「ソルウェ・メトゥース・フェレト・ハエク・アリクゥァム・ティビ・ファーマ・サルーテム」と読みます。
solveは「解く」を意味する第3変化動詞solvoの命令法・能動態・現在、2人称単数です。
metusは「恐れ」を意味する第4変化名詞metusの複数・対格です。
feretは「もたらす」を意味する不規則動詞feroの直説法・能動態・未来、3人称単数です。
haecは「この」を意味する指示形容詞hicの女性・単数・主格です。
aliquamは「何らかの」を意味する不定形容詞aliqui,aliqua,aliquodの女性・単数・対格です。
tibiは「あなた」を意味する2人称単数の人称代名詞tuの与格です。
famaは「噂、名声」を意味する第1変化名詞、単数・主格です。
salutemは「救済」を意味する第3変化女性名詞salusの単数・対格です。
「恐れを解け。この名声はおまえに何らかの救済をもたらすだろう」と訳せます。
ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Verg.Aen.1.463)。

Prima digestio fit in ore. 
「プリーマ・ディーゲスティオー・フィト・イン・オーレ」と読みます。
primaは「最初の」を意味する第1・第2変化形容詞primus,-a,-umの女性・単数・主格です。
digestioは「消化」を意味する第3変化名詞、単数・主格です。
fitは「生じる」を意味する不規則動詞fioの直説法・能動態・現在、3人称単数です。
oreは「口」を意味する第3変化名詞osの単数・奪格です。
「最初の消化は口の中で生じる」と訳せます。

Natam frondosis montibus abdit.
「ナータム・フロンドーシース・モンティブス・アブディト」と読みます。
natamは「娘」を意味する第1変化名詞nataの単数・対格です。
frondosisは「葉の多い」を意味する第1・第2変化形容詞frondosus,-a,-umの男性・複数・奪格です。
montibusは「山」を意味する第3変化名詞monsの複数・奪格です。
abditは「隠す」を意味する不規則動詞(合成動詞)abdoの直説法・能動態・現在、3人称単数です。原文の主語は王妃アマータです。
「彼女は娘を葉の多い山の中に隠す」と訳せます。
ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Verg.Aen.7.387)。

Nullus amor populīs nec foedera suntō.
「ヌッルス・アモル・ポプリース・ネク・フォエデラ・スントー」と読みます。
nullusは「いかなる~もない」を意味する代名詞的形容詞nullus,-a,-umの男性・単数・主格です。
amorは「愛」を意味する第3変化男性名詞、単数・主格です。
populisは「国民」を意味する第2変化名詞populusの複数・与格です。原文はトロイヤ人とカルタゴ人を指すので「両国民に」と訳します。
foederaは「盟約」を意味する第3変化名詞foedus,-eris の複数・主格です。
suntoは「~がある」を意味する不規則動詞sumの命令法・能動態・未来、3人称複数です。
「いかなる愛も盟約も両国民に(将来)あってはならぬ」と訳せます。
ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Verg.Aen.4.624)。

Ergo sollicitae tu causa, pecunia, vitae! per te immaturum mortis adimus iter.
「エルゴー・ソッリキタエ・トゥー・カウサ・ペクーニア・ウィータエ・ペル・テー・イッマートゥールム・モルティス・アディームス・イテル」と読みます。
ergoは「それゆえ」を意味する接続詞です。
sollicitaeは「不安に満ちた」を意味する第1・第2変化形容詞sollicitus,-a,-umの女性・単数・属格です。vitaeにかかります。
causaは「原因」を意味する第1変化名詞、単数・呼格です。
pecuniaは「金銭」を意味する第1変化名詞、単数・呼格です。
vitaeは「人生」を意味する第1変化名詞vitaの単数・属格です。
per は「~のために」を意味する対格支配の前置詞です。
teは2人称単数の人称代名詞tuの対格です。
immaturumは「時期尚早の」を意味する第1・第2変化形容詞immaturus,-a,-umの中性・単数・対格です。
mortisは「死」を意味する第3変化名詞morsの単数・属格です。
adimusは「<対格>に近づく」を意味する不規則動詞(合成動詞)adeo(=ad+eo)の直説法・能動態・現在、1人称複数です。
iterは「道」を意味する第3変化名詞iterの単数・対格です。
「それゆえ金銭よ、不安に満ちた人生の原因よ(不安に満ちた人生の原因たる金銭よ)。汝のために我々は時期尚早の死の道(早死の道)に近づくのである」と訳せます。
プロペルティウスの『詩集』に見られる表現です(Prop.3.7.1-2)。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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